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女性1人起業 リアルストーリー 第3回

個人事業主と法人、私に合っているのはどっち?

吉戸 三貴

 

起業しよう。そう決意した途端、すぐに様々な決断を迫られることになりました。会社をいつ辞めるのか、一体どんな形で新しい仕事を始めるのかなど、決めることが山のようにあったからです。なかでも、最初の難問のひとつが、「個人事業主」と「法人」どちらで起業するかというものでした。

 

考えをまとめるために、まずは、私なりにそれぞれのメリットとデメリットを書き出してみました。

 

*記載するメリット・デメリットは、個人のリサーチの範囲です。また、起業の形態や重視する点によって解釈が異なる場合もありますので、すべての方に当てはまるとは限りません。

 

【個人事業主】

メリット              会社設立の費用がかからない。屋号や肩書を決めて準備をすれば、比較的すぐ始められる

デメリット           (職種によっては)法人に比べると不安定な印象を与える


【法人(ここでは株式会社を想定)】

メリット              信頼度が高い。起業のお知らせのインパクトを高められる

デメリット           設立と運用に、お金と時間がかかる(資本金、登記の手続きなど)

 

こうして整理してみると一長一短です。先輩起業家の方からは「利益が出ていない段階で法人化するメリットはない。まずは個人で始めて、軌道に乗ったら法人化する方が現実的」という、折衷案に近いアドバイスもいただきました。

 

ただ、自分で新しい肩書をつくり起業すると決めていた私にとって、優先度が高いのは「信頼度」と起業の「インパクト」でした。誰も聞いたことがない職業をつくり、ゼロからクライアント(お客様)を探す以上、この2つは非常に重要だと考えました。ライターやカメラマンなど認知度の高い職業なら、個人事業主でも十分に信頼を得られるでしょうが、「コミュニケーションスタイリスト」では難しいと思ったのです。そこで、私は、起業と同時に法人(株式会社)を設立することを決めました。

 

あれから5年。当初は不安もありましたが、これまでを振り返る限りでは良い決断だったと感じています。起業後すぐに法人間の契約を条件とした講師業務の依頼をいただくことができましたし、2つの肩書(株式会社スティル代表取締役、コミュニケーションスタイリスト)があることで、仕事の幅も広がっています。

 

起業にあたって、何がメリット・デメリットになるかは、仕事のスタイルや重視したい点によっても異なります。基本的な情報収集をした上で、自分にとっての優先度や重要性を踏まえて判断をすると、後悔のない決断ができるのではないでしょうか。

います。起業後すぐに法人間の契約を条件とした講師業務の依頼をいただくことができましたし、2つの肩書(株式会社スティル代表取締役、コミュニケーションスタイリスト)があることで、仕事の幅も広がっています。

 

起業にあたって、何がメリット・デメリットになるかは、仕事のスタイルや重視したい点によっても異なります。基本的な情報収集をした上で、自分にとっての優先度や重要性を踏まえて判断をすると、後悔のない決断ができるのではないでしょうか。

 

コラム執筆者プロフィール

株式会社スティル 代表取締役/コミュニケーションスタイリスト

沖縄生まれ。

慶應大学卒業後、沖縄県の奨学金でパリに留学。海外生活を経て極度の人見知りを克服した経験からコミュニケーションに関する仕事に関心を持ち、帰国後PRの世界へ。開館間もない沖縄美ら海水族館の広報担当として経験を積む。

その後、第1期PRプランナー資格を取得し、東京のPR会社に転職。官公庁の大型キャンペーンや外資系メーカーの新製品ローンチに携わる。

プランナーとして活動するうち、表参道に住み働くライフスタイルや独自のコミュニケーション理論に関心が集まり、講演や執筆の依頼が増えたことから、株式会社スティルを設立。

「コミュニケーションを着替えよう」をコンセプトに、コミュニケーションスタイリストという仕事をつくり、活動をスタートした。

現在は、東京・沖縄を拠点に、起業支援、PRコンサルティング、ブランディングなどを行っている。国内外での講演、執筆活動も。