起業家

越野建設株式会社 取締役社長 越野 充博さん

『ホームラン王 王貞治』 著者:五十野 清一

公開日:2019年9月12日

ホームラン王 王貞治

今はどうなのかわかりませんが、私たちの子供の頃は、古今東西の偉人の伝記がよく読まれていて、学校の教室や図書室の本棚にずらりと並んでいました。

私も伝記物が大好きで、主人公に思い入れて、憧れたり、感心したり、果てはこうなりたいと思ったものでした。

この本は、誰もが知る日本プロ野球の誇るホームラン王にして、日本一、世界一監督の王貞治さんが、野球選手として26歳の伸び盛りの昭和40年に書かれた、小中学生向けの伝記です。

実はこの取材の話があった時、本好きの私としては、1冊に絞り込むのはとても難しく、もちろんこの本だけに影響を受けたということではないのですが、現在、手元にあるものの中で最も古い、この本にしました。

本が好きになったのは、幼少の頃の母の読み聞かせかもしれません。また、駄菓子屋に行く小遣いをねだると渋い顔をされましたが、本を買うと言うとすんなり小遣いを貰えたのも理由の一つかもしれません(笑)。

同年代の子供たちよりは、かなり上手な野球少年で、ジャイアンツファンで、プロ野球選手になることを夢見ていた私にとって、同じ左利きだった王選手は、人気絶頂の長嶋選手に勝るあこがれと尊敬の対象でした。

私がこの本を初めて手にしたのは、小学1年生の時で、しばらくの間は、学校から帰ってくると毎日のように読み返していました。甲子園での活躍によって期待されてプロに入り、荒川コーチと二人三脚の猛練習の結果、ホームラン王に輝くシーンなどは、これまでも印象に残っていたのですが、この機会に改めて読んでみて、この本が王貞治さん個人の伝記、成功伝というよりは、王さんのご両親や兄弟も含めた家族の物語であることを感じました。

戦前から苦労をし、貧しさの中で前向きさを忘れずに生き抜いてきた中国人の父と日本人の母の息子への深い愛情と理解、王選手が中国籍ゆえに国体へ出られなかったエピソードなどは、親となった今、読んでいて涙があふれそうになります。当時の印象に強くは残っていなかったとはいえ、少年の私の心のどこかに刺さり、今日まで棲みついていたような気がします。

本のすばらしさは、時空を超えて違う世界を見ること、経験することができることだと思います。活字ですから、一行を何度も反芻し、味わうことができます。私は、本を読むことで、様々な世代のいろいろな考え方を学べたことが、実体験とミックスされ、事業経営に必要なバランス感覚をもたらしてくれたものと確信しています。

今、私は、自分自身の幅を広げ、好奇心も掻き立ててくれる本の魅力と効用を、若い人たちに、もっと知ってもらいたいなと思っています。

起業家プロフィール

越野建設株式会社 取締役社長 越野 充博 取締役社長 越野 充博 越野建設株式会社 取締役社長

早稲田大学商学部卒。1982年越野建設入社。87年常務、91年代表取締役就任。東京都出身。
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