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株式会社 田中電気研究所 代表取締役社長 田中 敏文さん

『2001年宇宙の旅(2001 A Space Odyssey)』

著者:アーサー・C クラーク/伊藤典夫(訳)

2001年宇宙の旅(2001 A Space Odyssey)

私が15歳(1969年中学3年生)の時、東京京橋のテアトル東京で「2001年宇宙の旅」を映画で観たことが最初のきっかけです。その時は全く意味が分からず途中で寝てしまいましたが、友人の1人がこの本を読んでいてコンピュータの反乱とのことを話していました。その後、大学2年の頃に再度上映されたことから映画館へ行って観ました。漸く壮大な宇宙をテーマとした哲学の映画だと理解でき本を買って読みました。

更にその後も再び映画館へ行き、当時発売されたばかりのVHSビデオも購入して何度も観ています。 

人類の起源から始まるこの本では、「ある神の存在」が人類の文明発達に関係してきていることを暗示しています。現在我々が生きている時代で、何か一つのチャンス(本の中ではモノリスと言う石板に触れた猿が人間になった)ように、ブレークスルー出来るチャンスを見つけたいと感じるようになりました。

当社は環境関連機器のメーカーですが、自社製品のダスト濃度計製品群の命名にはすべてこの本若しくは映画に出てくる名前を使っています。自社製品への愛着を深める重要な命名になります。
 
例えば、当社のメイン機種はDDM-2001は本の題名から, 小型のプローブ式ダスト濃度計はDDM-HAL2は準主役である人工知能HAL9000から、DDM-fCはHAL9000の生みの親であるインド系アメリカ人のチャンドラ博士を慕ってfor Chandraとしてインド向けに開発した製品です。

そして極めつけは白濁排ガスダスト濃度計DDM-TMA1になります。白煙を排出する煙突からの煤塵は水蒸気で白濁して見えませんが、当社は瞬間気化と言う技術を開発して煤塵(ダスト)だけを測定することが出来ます。つまり見えないところにあるダストだけを見つけられます。 本の中では月の地中に埋まって見えない「モノリス」を人類の英知で磁気異常として発見した地点名がTMA1でした。これを使い、私はTanaka Mist Annihilation 1と命名しました。

もしこの本を読んでいなければ、自社製品に対する愛着度はこれ程まで高くはなっていなかったと思います。

自社製品の命名権は社長の特権事項になりますので、深い思い入れがあります。
 
因みに、当社の社有車5台すべてのナンバーは2001にしています。

起業家プロフィール

株式会社 田中電気研究所 代表取締役社長 田中 敏文

株式会社田中電気研究所 代表取締役社長 田中 敏文
昭和29年11月3日生まれ
昭和53年 武蔵工業大学機械工学科材料力学研究室卒
昭和53年 富士電機計装(株)(現 富士電機(株))調整技術課入社
昭和59年 富士電機計装(株)退職
昭和59年 株式会社田中電気研究所入社 専務取締役
平成4年6月 代表取締役に就任
平成30年1月 ダスト濃度計性能評価方法JIS B7996委員会幹事
令和2年6月 ダスト濃度計製品規格JIS B7997委員会幹事

WebサイトURL:https://www.tanaka-e-lab.jp/

代表取締役社長 田中 敏文

起業家に影響を与えたこの一冊は、イノベーションズアイ会員企業を対象に取材しています。