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インターナップ・ジャパン株式会社 代表取締役 CEO 奥野 政樹さん

『勝負の極北』

著者:藤沢秀行、米長邦雄(対談)

勝負の極北

私が30代の頃に読んだ本で、棋聖戦6連覇、67歳で史上最年長タイトル保持者にもなった昭和を代表する囲碁棋士である藤沢秀行先生と、タイトル獲得数19期を誇る永世棋聖、米長邦雄先生の対談本です。

以前から、秀行先生の酒、ギャンブル、借金、女性関係などの破天荒さが好きだったので、この本が出版された時(1997年)に購入しました。

正直な話、ビジネスに役立ったかと言えばそうでもないのですが、読んだ後つくづく、とんでもないけれど愛すべき人はいるのだなと感じました。
特に秀行先生の自由で独創的な囲碁の打ち方や、破天荒さとは裏腹に、囲碁にだけは真剣に取り組む姿勢に心惹かれました。
こういう異次元の人間に自分もなろうとは思わないまでも、こぢんまりとまとまりたくないものだと思いました。

一番心に残っているエピソードは、秀行先生と将棋棋士の芹沢博文9段がお互いに囲碁・将棋の全てを100として、そのうちのどれだけわかっているのかを紙に書いてそれを見せ合った時のことです。

秀行先生は酔って気が大きくなった勢いでちょっと多めに「6」、芹沢氏は「4か5」と書いたそうです。それを見て芹沢氏は、自分がどんなに思い上がっていたかに気付いた。一方の秀行先生は、「芹沢はわからないということがちゃんとわかっている男だ」と認めたのです。

もしこの本を読んでいなければ、仕事について100のうちいくつわかっているかと問われた時に私は、不遜にも「80」などと答えてしまっていたかもしれません。

結局、今もあまり深刻にならずに仕事ができているのは、この本が教えてくれた「5か6でいいんだ」という安心感のおかげかもしれません。

起業家プロフィール

インターナップ・ジャパン株式会社 代表取締役 CEO 奥野 政樹

1988年 早稲田大学法学部卒業
1988年 日本電信電話株式会社入社
1992年 会社派遣によりニューヨーク大学法科大学院へ留学
1994年 ニューヨーク州弁護士資格取得
帰国後、数多くの国際M&Aプロジェクトで交渉を担当
2003年 インターナップ・ジャパン株式会社へ出向
2006年 同社代表執行役CEOに就任
2016年 同社代表取締役CEOに就任、現在に至る

代表取締役 CEO 奥野 政樹

起業家に影響を与えたこの一冊は、イノベーションズアイ会員企業を対象に取材しています。