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株式会社LYST 代表取締役 亀川 賢治さん

フリーエージェント社会の到来

この本が出版された2002年の私は、フリーランスとして、ある外資系企業の新規事業立ち上げのプロジェクトに参加しており、そのプロジェクトに共に参加していた方に紹介されて読んだ本です。

当時の私は、フリーランスとして仕事をしておりましたが、今後の自身の人生設計を考えていく上でどうするべきか漠然と迷っていて、どこかの組織に所属して働いた方がよいのか、このまま進んでいけばよいのか、考えながら日々過ごしていました。

そんな頃に出会ったこの本には、これまで自分が経験してきた様々な事象が、これからの時代の変化に伴って大きく変わり始めていることと同時に、「働く」ことの意義や考え方が具体的にどう変化するのかが書かれており、なぜアメリカでは多くの人が「フリーエージェント」という働き方を選んだのか、そしてその実態としてどのような生活を送っているのかを知りました。

日本で、組織に在籍して働く場合、自分にとっての働く意義とは、評価される事と同時に所得の純増であり、その結果として「肩書」がついてきます。しかし、フリーエージェントとして働く場合、自分自身の価値そのものの評価で、結果を残す仕事をすることとなり、それは自分自身の価値観そのものに直接的につながることになる気がしました。

結果として、組織に属さず自立歩行する形として、自身での起業という道を選びました。
そして、自分が出来る事に磨きをかけ、何かしらのプロフェッショナルな価値を生み出していきたいと考えるようになりました。

もしこの本に出合わなければ、組織に所属して働く生き方を選択していたと思います。ただ当時の自分はまだ、自身の事を中心に考える傾向が強く、今更ながら当時の自分の未熟さや稚拙さを反省する日々でもあります。

起業家プロフィール

株式会社LYST 代表取締役 亀川 賢治

外資系半導体製造装置の販売に従事。電子立国の日本の技術を支える最後の時期に、16M/64M DRAMにおける国内の各地の製造ラインへの導入を経験。
「インターネット」黎明期に、下流でのIT機器関連の業界に移動。ここでデジタルCMS(Color Management System)を学び、OEM先での販売促進活動として「カラーマネージメントセミナー」を印刷業界等のデザイナー・DTPオペレーターに展開。
その後、機会を得て、インターネット業界(Web1.0)へ方向転換。スポンサー企業の支援で、新会社設立。第一次ドットコムブームにおいて、ウェブビジネスを経験。様々な業界・業種の方向性を模索しつつ「ハンズ・オン」による「仕掛け人」的現場実務を重視し、評価・評論だけのコンサルティングではない新たな挑戦を続ける。

WebサイトURL:https://www.lyst.co.jp

代表取締役 亀川 賢治

起業家に影響を与えたこの一冊は、イノベーションズアイ会員企業を対象に取材しています。