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明倫国際法律事務所 東京事務所代表 柏田 剛介さん

『第四の革命』

著者:ルチアーノ・フロリディ

第四の革命

当事務所は、福岡を地場にした弁護士事務所でしたが、2017年に新たに東京に進出し事務所を開設することになりました。その際、東京事務所の代表として、今後、東京事務所をどう経営していくか、弁護士としてお客様にどう価値を提供していくかと深く考えるようになり、当時ICT(※)とビジネスの関りが書かれたこの本を手に取りました。
※ICTとは、「Information and Communication Technology」の略で、通信技術を活用した情報やコミュニケーションのやり取りのことで、IT (Information Technology)にコミュニケーションが加わったもので、現在ITからICTに置き換わりつつあります。

この本の中では、コンピューターがビックデータなどから世の中のあらゆる情報を収集し処理できるようになったこと、AI(人工知能)が進展し、通信技術も大きく進歩したことで、私たちの生きる世の中そのものが質的に変わり、ICTとのかかわりも変わると指摘されています。ICTを単なる業務を効率化するためのツールとして捉えるのではなく、私たち自身もデジタル世界と情報を共有し、ICTの中に人が入っていくような状況、つまり仮想空間が現実になり、また現実が仮想空間上にあるような世界を生きていくといったことを様々な事例をあげつつ説明されています。

今まさに、生活のあらゆる局面においてICTの存在が前提となっており急速に発展しています。私たち弁護士の世界でも、判例分析や契約書のチェックなど、ますますAIが活用され、業務の一部はICTに代替されていきます。

ただ、他方で、AIなどのICTでは代替できない人間の営み(新しい事象を認識して、対応するような営み)についても、この本の中で触れられています。
弁護士の役割としては、たとえば、経営者の皆様が直面する、複雑な事案を読み解いて、専門家として新たに対応策を立案する、あるいは、その事象に特有の事情を踏まえて、経営者に寄り添って判断を提供する、といった業務においては、今後も変わらず重要でありICTでは代替できないということを再確認しました。

弁護士業務の一部は、今後ICTによってコモディティ化していくと思います。
そのような変化は積極的に取り入れつつ、弁護士の価値はどこにあるかを絶えず考えながら、弁護士だからこそ提供できる価値に磨きをかけることに注力し、サービスを提供していくことが重要なのだと、この本を読んで強く意識するようになりました。

起業家プロフィール

明倫国際法律事務所 東京事務所代表 柏田 剛介

宮崎県出身
東京大学法学部 卒業
北海道大学法科大学院 卒業
ハラスメント対応、労働紛争対応等の労働問題を専門に取り扱う。
明倫国際法律事務所 Webサイト:https://www.meilin-law.jp/

東京事務所代表 柏田 剛介

起業家に影響を与えたこの一冊は、イノベーションズアイ会員企業を対象に取材しています。