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女性1人起業 リアルストーリー 第8回

起業時にして、良かったこと

吉戸 三貴

 

「女性1人起業 リアルストーリー」最終回は、私自身の経験から、起業する時にしておいて良かったと感じていることをリストアップしてご紹介したいと思います。

1、公的機関の起業支援サービスの利用

港区で開業予定だったので、区の創業支援サービスを利用して専門家派遣をお願いしました。3回まで無料で中小企業診断士に相談ができるという内容です。その後、起業関連の助成金も申請するなど、公的機関が提供しているサービスは積極的に活用しました。

2、デザイン性の高いツールの整備

信頼性と認知度を高めるため、ウェブサイト、ポストカード、名刺のデザインをプロに発注しました。デザインを統一してしっかりブランディングしており、クライアントからも好評です。

3、起業の予習

起業時の手続きを効率的に進めるため、それらがわかりやすくまとまっているハウツー本を1冊買いました。

準備物やToDoリストがついているものが便利です。

4、プロによる写真撮影

ウェブサイトやSNSで使用するため、プロのカメラマン撮影のオフィシャル写真を用意しました。取材や講演依頼の際の提供素材としても活用しています。その後、見た目や仕事の方向性の変化にあわせて定期的に撮り直しもしています。

5、服装の変更

大きな会社という後ろ盾がなくなったので、服装や小物できちんとした印象を与えられるよう努力しました。

特に、起業当初は、バッグ、靴、小物などは良いものを使うように心がけていました。今は、清潔感と安心感を意識しつつ、TPOに合わせた服選びをしています。

6、固定電話の準備

1人起業なので、利便性やコストで考えると携帯番号の方が良いのですが、会社としての信頼性を高めるためにあえて固定電話の番号を持ちました。起業当初はセールスの電話も多いので、それに出なくて済むという利点もあります。

7、仕事道具への投資

デザイン同様、ある程度お金をかけようと思っていたのが、主な仕事道具です。私の場合は、パソコン、スマートフォン、仕事机と椅子、ICレコーダー、カメラがそれにあたります。一定の予算を設定しつつも、時間をかけて、快適に仕事ができるものを選びました。どのツールも、投資以上のパフォーマンスを発揮していて、とても満足しています。

お金のかけどころ、時間のつかいどころをどうするかは、起業時の大事なポイントのひとつです。これから始める事業にとって何が重要で優先されるべきかを明確にすると、後悔しない選択ができる確率が高まるでしょう。業種や起業形態によっても異なると思いますが、今回のリストが少しでも参考になれば嬉しいです。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

 

コラム執筆者プロフィール

株式会社スティル 代表取締役/コミュニケーションスタイリスト

沖縄生まれ。

慶應大学卒業後、沖縄県の奨学金でパリに留学。海外生活を経て極度の人見知りを克服した経験からコミュニケーションに関する仕事に関心を持ち、帰国後PRの世界へ。開館間もない沖縄美ら海水族館の広報担当として経験を積む。

その後、第1期PRプランナー資格を取得し、東京のPR会社に転職。官公庁の大型キャンペーンや外資系メーカーの新製品ローンチに携わる。

プランナーとして活動するうち、表参道に住み働くライフスタイルや独自のコミュニケーション理論に関心が集まり、講演や執筆の依頼が増えたことから、株式会社スティルを設立。

「コミュニケーションを着替えよう」をコンセプトに、コミュニケーションスタイリストという仕事をつくり、活動をスタートした。

現在は、東京・沖縄を拠点に、起業支援、PRコンサルティング、ブランディングなどを行っている。国内外での講演、執筆活動も。