2016年4月21日
起業時は、仕事のあてもなくクライアントもいなかったと言うと、「え!? そこからどうやって仕事をつくったんですか? 営業方法は?」と驚かれます。確かに、仕事を持って会社から出たり、独立後の発注を約束してくれるクライアントを見つけてから起業したりした方がリスクは低いのですが、私の場合は、自分が実行したい、できると思えるタイミングを優先したので、身ひとつで会社を出ることになりました。
起業当初に、営業活動として実践したことは主に3つです。
1、ハガキやメールで、会社設立の連絡をした
仕事の依頼をもらうためには、まずは起業したことを知ってもらわなくてはなりません。仕事関係の方に、手書きの挨拶状やメールでご案内をしました。その際、工夫したのは、
・他の転職メールにうもれないよう、株式会社をつくり、あたらしい肩書で活動をスタートすることを強調した
・事業内容が伝わるよう、会社のウェブサイトも同時に案内した
ことです。
その結果、「お祝いに食事に行こう」、「新しい仕事の話を聞かせて」といったお誘いをいただくことが増え、そのうちのいくつかが実際に仕事へとつながりました。
2、オンラインでの発信をスタートした
プライベートではほとんど活用していなかったブログやSNSですが、あたらしい仕事を知ってもらうためには欠かせないツールだと考え、
・会社のウェブサイト
・ブログ
・個人のフェイスブック
・会社のフェイスブック
・ツイッター
を開始しました。すると、少しずつ問い合わせや依頼がくるようになりました。ウェブサイトやブログのメッセージからの問い合わせはもちろん、ツイッターでプライベートセッション(個人のご相談)の予約が入ったり、フェイスブックのメッセージで仕事の依頼がきたりすることもあります。
3、できるだけ多くの人に会った
あたらしい肩書や会社のことを知ってもらうため、起業当初は積極的に出かけて人と会っていました。華やかなパーティーというよりは、商工会議所の異業種交流会や勉強会、大学のOB・OG会など、落ち着いた会を中心に出かけ、その場で名刺交換をしたりスピーチの機会をいただいたりして発信に努めました。そこから仕事がうまれたことはほとんどありませんが、仕事を依頼したい人や取材したい人との出会いを得ることができました。現在は、ほぼ毎月出張をしていて東京にいる時間が限られていることもあり、本当に行きたい(または行く必要がある)会、勉強になると感じる場にだけ出かけるようにしています。
実際には、人からの紹介や、思いがけない問い合わせなどから仕事が生まれたことも多く、予想通りとは行きませんでしたが、起業時に自分なりに考えて動いたことには意味があったと感じています。営業活動をする時は、事前に、どんな目的で何をどのくらいのコスト(費用と時間)をかけて行うのかを明確にすると取り組みやすくなります。
コラム執筆者プロフィール
株式会社スティル 代表取締役/コミュニケーションスタイリスト
沖縄生まれ。
慶應大学卒業後、沖縄県の奨学金でパリに留学。海外生活を経て極度の人見知りを克服した経験からコミュニケーションに関する仕事に関心を持ち、帰国後PRの世界へ。開館間もない沖縄美ら海水族館の広報担当として経験を積む。
その後、第1期PRプランナー資格を取得し、東京のPR会社に転職。官公庁の大型キャンペーンや外資系メーカーの新製品ローンチに携わる。
プランナーとして活動するうち、表参道に住み働くライフスタイルや独自のコミュニケーション理論に関心が集まり、講演や執筆の依頼が増えたことから、株式会社スティルを設立。
「コミュニケーションを着替えよう」をコンセプトに、コミュニケーションスタイリストという仕事をつくり、活動をスタートした。
現在は、東京・沖縄を拠点に、起業支援、PRコンサルティング、ブランディングなどを行っている。国内外での講演、執筆活動も。