2016年1月21日
女性1人起業 リアルストーリー
Story 4 強みの整理。何を仕事にするか
これまで3つのStoryで、会社を辞めてあたらしい肩書と仕事をつくり、株式会社を設立する決断をするまでについて書いてきました。今回は、「コミュニケーションスタイリスト」という仕事をつくった経緯についてご紹介したいと思います。
あたらしい仕事をつくろうと考えたのは、既存の肩書に自分がしたい仕事をあらわすものがなかったからです。「PRやコンサルティングという枠組みにとらわれず、さまざまな手法を組み合わせ、最も良い形でコミュニケーションの課題を解決したい」と考えていたので、その働き方や思いが伝わる肩書をつくりたいと思ったのです。同時に、対価をいただくからには、自分の得意分野を見極めて強みを明確化することも重要だと考えました。
仕事と肩書の方向性を決める際、整理の軸にしたのは以下の5点です。
1、自分の強みがいかせるかどうか
強みをいかすことができれば、価値を認めてもらいやすく結果も出しやすいと考えました。そのために、まずは、論理的な思考や企画など、自分の得意とすることを洗い出しブラッシュアップしました
2、世の中にニーズがあるか
どんなに得意なことでも、ニーズがなければ依頼は来ません。類似した仕事が職業として成り立っているかを
調べ、一定のニーズがありそうだと予想しました
3、一定の独自性や新規性があるか
認知度を上げるためには、メディアに取り上げてもらうことも重要です。そのために、肩書きにはある程度の新しさが必要だと考えました
4、ストーリーがあるか
クライアントやメディアから信頼してもらうには、なぜその仕事を始めたのか、コミュニケーションの専門家
として活動する根拠は何かなど筋道を立てて説明できることが大切だと考え、ストーリーを整理しました
5、年齢を重ねても続けられる仕事かどうか
30代半ばで起業し、しばらくその肩書を使うことを考えると、40代、50代になっても無理のない内容と肩書にしておきたいと思いました。そのため、あまり流行すたりのない言葉を探しました
これらの点を踏まえてつくったのが、洋服をスタイリングするように企業や個人の強みを引き出してコミュニケーション課題を解決する「コミュニケーションスタイリスト」という仕事です。独立してから、何度も「『好き』を仕事にしたのですね」と言われますが、実際は少し違っていて、自分が望むワーク&ライフスタイルを実現するために「得意を仕事にした」という感覚です。
次回は、あたらしい肩書のつくりかたについて書きたいと思います。
コラム執筆者プロフィール
株式会社スティル 代表取締役/コミュニケーションスタイリスト
沖縄生まれ。
慶應大学卒業後、沖縄県の奨学金でパリに留学。海外生活を経て極度の人見知りを克服した経験からコミュニケーションに関する仕事に関心を持ち、帰国後PRの世界へ。開館間もない沖縄美ら海水族館の広報担当として経験を積む。
その後、第1期PRプランナー資格を取得し、東京のPR会社に転職。官公庁の大型キャンペーンや外資系メーカーの新製品ローンチに携わる。
プランナーとして活動するうち、表参道に住み働くライフスタイルや独自のコミュニケーション理論に関心が集まり、講演や執筆の依頼が増えたことから、株式会社スティルを設立。
「コミュニケーションを着替えよう」をコンセプトに、コミュニケーションスタイリストという仕事をつくり、活動をスタートした。
現在は、東京・沖縄を拠点に、起業支援、PRコンサルティング、ブランディングなどを行っている。国内外での講演、執筆活動も。