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ウォーターポイント株式会社 代表取締役社長 小早川 克史さん

『狼たちへの伝言』

著者:落合信彦

狼たちへの伝言

将来のことは何も考えず遊んでばかりいた二十歳の大学生だった私は、たまたま立ち寄った本屋で、熱いタイトルが目に入り、手にした本、それが『狼たちへの伝言』です。

本を読み、衝撃が走りました。
「いままでの自分は何だったのか、自分は何をやっていたんだ」
人は退屈に生きるタイプとエキサイティングに生きるタイプの2種類があり、同じ一生ならば、エキサイティングに生き、目的を持たないといけない・・・、この本との出会いがこれまでの考えを180度変えることになりました。

大学を卒業して就職してからは、がむしゃらに働きました。目標を持ち、やりがいも感じながら、仕事をすることができましたが、数年働くうちに、会社の考えと自分の考えとの方向性が違うのに気づき始め、自分のやりたいことがこの会社では実現できないと感じるようになりました。

その後、父の経営する水道工事会社に転職しました。しかし、業界のことは何もわからず、従業員や職人との関わり方もそれまでとは全く違い、カルチャーショックを受けましたが、慣れてくるにつれ、水道工事という下請けの仕事だけでは、将来性がないと思うようになります・・・「このままではいけない」と。

そして、水道工事と同様に水に関わりのある、「水をきれいにする」新規ビジネスを立ち上げるため、本場アメリカで学び、今のビジネスへとつながっています。

『狼たちへの伝言』は、チャレンジするきっかけをくれ、モチベーションの源泉になった本です。

起業家プロフィール

ウォーターポイント株式会社 代表取締役社長 小早川 克史

1967年 広島市に生まれる。
1990年 広島工業大学土木工学科を卒業後、橋梁メーカーに入社し、橋梁設計部に配属。
その後、橋梁工事部を経て広島県庄原土木事務所に出向。
1995年 橋梁メーカーを退職。家業の水道工事会社「株式会社第一管工」入社。水道設備コンサルタント会社で10カ月間修行後、実務に入る。
当時第一管工は建設会社の下請けで、バブル崩壊の影響をもろに受けており、経営状況が厳しかった。下請けではない新事業を模索した。
1997年 広島県北の学校の水処理装置設置工事で、逆浸透膜に出会う。地下水のマンガン、フッ素を除去することを確認した。輸入商社から逆浸透膜は、海水や排水も飲料水にできることを聞き衝撃を受け、逆浸透膜に魅せられる。
1998年 逆浸透膜製品の本場アメリカに渡り、西海岸のメーカー数社と取引を始める。その時に水の自動販売機、水の宅配、ウォーターショップなどを目の当たりにする。すべて逆浸透膜を使用していた。今の事業の原風景となる。
アクア事業部創設。逆浸透膜プラント(塩分除去)を広島市内に設置。
2000年 逆浸透膜を使用した純水自動販売機を開発。広島市内のスーパーに納品。水自動販売機事業開始。
同年、広島市内に宅配水のボトリング工場を建設。ウォーターサーバー事業開始。
2003年 逆浸透膜で作られた純水に、海洋深層水のミネラルをブレンドした水自動販売機「ウォーターファクトリー」開発。販売開始。
2004年 最良の採水地を求めて中国山地の湯来(ゆき)温泉近くに、逆浸透膜を使用した天然水ピュアウォーターボトリング工場を建設。
純水に知床らうす海洋深層水のミネラルをブレンドした宅配水商品を開発。
アクア事業部の売上が、水道工事部の売上を上回る。この時、父親である社長が病気のため業務不可能になり、実質経営を引き継ぐ。
2007年 アクア事業部の営業部門を切り離し、田園調布に株式会社ウォーターワン設立。代表取締役に就任。水自動販売機「ウォーターファクトリー」の全国展開を目指す。
経営理念「安心・安全な水の創造」、「世界の水問題に貢献する」を制定。
理念に共感し、日本水フォーラムの企業会員となる。
2008年 関東への供給を行うため、探し求めた採水地である南アルプス白州にボトリング工場を建設。関東地区に宅配水の供給を開始。
2012年 地域未着型小型宅配水工場「良水市場」を亀戸にオープン。
水専門店「ウォーターポイント田園調布」をオープン。
2013年 第一管工を「ウォーターポイント株式会社」に社名変更。
純水に新素材LPSをブレンドしたペット用飲用水「パントワンW」を開発。販売開始。
2014年 ウォーターポイント株式会社の代表取締役に就任。
2016年 水自動販売機「ウォーターファクトリー」が、大手流通チェーンをはじめ、北海道から沖縄まで全国1800台以上の納品を達成。

代表取締役社長 小早川 克史

起業家に影響を与えたこの一冊は、イノベーションズアイ会員企業を対象に取材しています。