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女性1人起業 リアルストーリー 第6回

自分が「得意なこと」を見つける方法

吉戸 三貴

 
これから起業する方のサポートをしていると、ときどき、こんな質問をされることがあります。「好きなことはわかっているのですが、得意なことがわかりません」。好きなこと、これから始めようとしている事業内容がすべて自分の得意なことで構成されていれば理想的ですが、なかなかそうはいかないものです。苦手な分野は人に頼んだり克服したりする必要があります。そのためにも、何が得意で何が苦手なのかを知っておくことは大切です。「得意なこと」を見つける方法を3つご紹介します。

〇「得意なこと」の定義
今回は「得意なこと」をこう定義します。
・他の人より、時間をかけずに良い結果が出せる
・実行することにあまりストレスを感じない

〇「得意なこと」の見つけ方
1、苦手なことを書き出す
得意なことはわからなくても、苦手なことはわかる、という方は多いものです。「これをするのは、他の人より時間がかかる」、「実行するのにストレスを感じる」ことがあれば、最初にクリアにしておきましょう。苦手なことがわかれば、得意な分野を探す範囲を絞り込むことができます。
苦手なことの例)
経理、税務関係
→ 私の場合、苦手なことに取り組むのは非効率だと考え、起業当初から税理士さんに依頼しています
2、周囲にヒアリングする
考えてもわからないなら人に聞いてみましょう。突然「私って何が得意だと思う?」と質問するのが恥ずかしいなら、「起業セミナーで、ヒアリングの宿題が出て……」などと理由をつけて尋ねる方法があります。それも難しい場合は、これまで仕事で評価されたこと、ほめられたことを思い出してみると良いでしょう。
周囲から教えてもらった「得意なこと」の例)
メールの処理速度が速い、物事の判断が速い、思考や回答が論理的、人を説得するのがうまい など
→ 「〇〇が速い」は、多くの人からあがってきた項目だったので、スピードが自分の持ち味だと気付くことができました
3、楽しかった仕事について考える
これまで経験した、楽しかった仕事について考えるのも有効です。楽しかったということは、やりがいを感じたり、うまくできたりした部分があったはず。そこから得意なことを探します。
楽しかった仕事の例)
プロジェクトリーダーを務めた外資系メーカーの案件が楽しかった。理由は
・短期間で集中してプランニングをする経験ができ、その内容が評価されたから 
→限られた時間でインプットとアウトプットをすることが得意な可能性がある
・海外出張があり、良い刺激になったから
→ 出張にはストレスがないことがわかる。各地での講演や地方の仕事に積極的に取り組むのも一案
のように整理をします。

1人起業は、自分の強み=会社の強みになるので、起業する前に自分の得意なことを明確にすることはとても大切です。「好きなことなら、頑張ればできるはず」と考えて曖昧にせず、しっかりと整理することをおすすめします。

 

コラム執筆者プロフィール

株式会社スティル 代表取締役/コミュニケーションスタイリスト

沖縄生まれ。

慶應大学卒業後、沖縄県の奨学金でパリに留学。海外生活を経て極度の人見知りを克服した経験からコミュニケーションに関する仕事に関心を持ち、帰国後PRの世界へ。開館間もない沖縄美ら海水族館の広報担当として経験を積む。

その後、第1期PRプランナー資格を取得し、東京のPR会社に転職。官公庁の大型キャンペーンや外資系メーカーの新製品ローンチに携わる。

プランナーとして活動するうち、表参道に住み働くライフスタイルや独自のコミュニケーション理論に関心が集まり、講演や執筆の依頼が増えたことから、株式会社スティルを設立。

「コミュニケーションを着替えよう」をコンセプトに、コミュニケーションスタイリストという仕事をつくり、活動をスタートした。

現在は、東京・沖縄を拠点に、起業支援、PRコンサルティング、ブランディングなどを行っている。国内外での講演、執筆活動も。